ハイブリッド矯正

ハイブリッド矯正とは

1997年にマウスピース矯正「インビザライン」が開発されて急速的に普及してきました。
（日本では2006年に登場しました）
しかし、次第にマウスピース矯正だけでは矯正しづらい点なども近年分かるようになってきました。

そこで、ハイブリッド矯正といってワイヤー矯正とマウスピース矯正のそれぞれの良いところを組み合わせた矯正治療法を扱うクリニックが出てきました。ワイヤー矯正は歯並びを大きく動かすのに適しており、マウスピース矯正は細かい微調整をスピーディーに行うのに適しています。

よく言われるハイブリッド矯正では、治療前半はワイヤー矯正で歯並びを大きく動かし、後半はマウスピース矯正で細かい微調整を行うことを差しますが、青山外苑矯正歯科のハイブリッド矯正では、逆の流れとして、治療前半にマウスピース矯正で、治療後半にワイヤー矯正を行うケースもあります。

具体的には、マウスピース矯正で進めた場合に奥歯が噛み合わないケースが出てくるので、その場合に最後にワイヤーで噛み合わせを調整するためです。
それぞれの得意な症例の範囲を組み合わせることで、最も効果的に最短ルートで矯正をすることができます。

マウスピース矯正の苦手な症例

次のようにマウスピース矯正には得意な動きと苦手な動きがあります。

歯を回転させる

マウスピース矯正は歯体移動という、歯を水平に動かす動きが得意のため、反対に強い回転をともなった動きは苦手です。

重度の症例

重度の叢生（凸凹）や上顎前突（出っ歯）などは、抜歯して歯を前後に大きく動かす治療となりますが、これもマウスピース矯正が苦手です。

伸ばす（挺出）

マウスピース矯正は、歯にアタッチメントという力のかかる点を設置し、マウスピースを付け替えることで歯を動かしますが、この動かし方の特性から、マウスピース矯正は引っ張る、押し下げるという動きは苦手です。

ハイブリッド矯正の症例イメージ

ケース１

1. ワイヤー＋アンカースクリューを使用して歯を動かし、マウスピース矯正で仕上げる

マウスピース矯正の苦手な「歯を引っ張る動き」を、青山外苑矯正歯科では、まずはワイヤー＋アンカースクリューで行って、仕上げとしてマウスピース矯正で整えます。

ワイヤー矯正とアンカースクリューとマウスピース矯正をハイレベルに組み合わせた治療法です。

※アニメーションが動いています

ケース２

1. 2番目の歯が後ろに引っ込んでいる

前から2番目の歯が後ろに引っ込んでいるケースです。理想的な歯の動かし方としては、2番目の歯を前に出してから引っ張る動きが必要ですが・・・

2. マウスピース矯正は「歯を回転させる動き」が苦手

「歯を回転させる動き」がマウスピース矯正は苦手で、治療に膨大な時間がかかるか、もしくはいつまで経っても歯が動いてくれない状態となります。

3. 歯の裏側矯正を行うことで2番目の歯のスペースを作る

青山外苑矯正のハイブリッド矯正であれば、歯の裏側矯正を行うことで2番目の歯のスペースを作ることができます。

ケース3

1. 先にマウスピース矯正をした後にワイヤー矯正で噛み合わせを整える

先にマウスピース矯正をした後にワイヤー矯正で噛み合わせを整えるケースです。

2. マウスピース矯正だけだと、うまく食いしばることができない

マウスピース矯正だけだと、マウスピースの厚みの分だけ奥歯のかみ合わせが合わなくなってしまい、うまく食いしばることができなくなってしまいます。

3. ブラケットとゴムで歯を伸ばす（挺出）ように動かす

そこで奥歯のみのブラケットとゴムで歯を伸ばす（挺出）ように動かすハイブリッド矯正により、理想的な嚙み合わせを再現することが可能になります。

4. 完成

ハイブリッド矯正の
メリットとデメリット

ハイブリッド矯正のメリット、デメリットとしては次のようなものがあります。

メリット

• 治療期間を短縮できる
• 歯の捻転や歯の根の傾きを改善できる
• マウスピース矯正では対応できなかった
  症例にも適応できる
• ワイヤーを取り付ける期間が短く、
  装着も部分的なので違和感や痛みが少ない

デメリット

• 表側矯正の治療中は、装置が目立つ
• 装置がマウスピース矯正とワイヤーで
  二重に必要なため、費用が余分にかかる

当院のハイブリッド矯正

青山外苑矯正歯科では、ハイブリッド矯正が非常に優れた治療法のため、特にマウスピース矯正を希望される方には推奨しています。
そのため、マウスピース矯正料金の中に含めていますので、特に追加料金は頂戴していません。
（表側矯正をお選びいただいた方の場合は、マウスピース矯正費用との差額を頂戴しています）

逆にいえば、マウスピース矯正だけしか扱っていない歯科医院では、マウスピース矯正では苦手な歯の動きにずっと時間がかかったり、最悪の場合は歯の根が露出して取返しのつかない事態を招くこともあります。
（解決法となるワイヤー矯正ができないのでその歯科医院では手の打ちようがありません）

患者様とお話していると、皆さん歯の矯正をしようと決めるまでにたくさん悩んで当院に相談に来られたとお聞きします。
それだけ悩まれた分、「矯正してよかった！」と皆さんに感激していただける矯正治療に巡り合ってもらいたいと一矯正専門医として願っております。